ラミネートベニア法
歯の表面(エナメル質)を一層(0.3~0.8ミリ程度)削って型採りし、そこに合ったシェルと呼ばれる薄いチップを貼り付ける方法です。
この方法は回数が原則2回で済むこと、白さも希望の白さが選べること、歯と歯の間のある程度のすきまや歯のかたちの微修正も同時に出来て仕上がりも完成度が高いこと、この治療のための前処置としての歯の神経の処置などが不要なこと、材料も選べることなど、総合的に考えてかなりの満足度が得られる治療法と言えます。
ただし、この治療法は審美歯科治療のなかでも最も高度な治療技術や精密度を必要とする治療法のひとつで、担当医の卓越したセンスと豊富な経験(症例数)が大前提の治療法かもしれません。
ラミネートベニア法では、主としてその材料にポーセレン(セラミック)が使われますが、その製作工程や貼り付ける工程を工夫することで 少し安価な材料も使用することが出来ます。
以下のラミネートベニア法で 主な3種類の材料別に解説します。
INDEX
ラミネートベニア法について
Ⅰ.ポーセレン・ラミネートベニア
陶材の粉末を焼成して作ります。このポーセレン(セラミックス)は ラミネートベニアだけに限らず、審美歯科治療において最高の材料といえます。
硬さも天然歯のエナメル質よりも硬く、咬耗や磨耗の心配も無く、変色の心配もまずありません。色や形も自由に出来ます。0.3~0.8ミリ程度の薄いチップですから寸分のくるいもなく焼き上げるのには歯科技工士もかなりの熟練テクニックが要求されます。
費用:1歯当たり7~10万円
Ⅱ.ハイブリッドセラミック・ラミネートベニア
次にあげる硬質レジンよりもガラス質の成分がかなり多く含まれ、硬質レジンとポーセレンの中間に位置する材料といえます。
ポーセレンほどの硬さはないので少しずつ艶がおとろえてきて、口腔清掃状態や飲食物、喫煙癖の有無などで差はありますが、3~5年で若干の変色や着色の可能性もあります。
製作時においての色や形はポーセレン同様、選択出来ます。
費用:1歯当たり5~7万円
Ⅲ.硬質レジン・ラミネートベニア
歯科用硬質レジンといわれる合成樹脂の材料で、フィラーというガラス質の成分を混ぜて硬く仕上がるようになってますが、ポーセレンなどに比べると柔らかく、毎日の咀嚼やブラッシングで磨耗したり、小さな傷がついたりしてステインも着きやすく、数年で材質自体の変色もおきてきます。
製作時においての色や形は上記の二つの材料同様、選択出来ます。
費用:3~5万円